Violin演奏 独学のすすめブログ

「Violin演奏 独学のすすめ」の著書の内容に関係する追加など

音楽における呼吸

アマオケなどで、アインザッツ、音の出だし、が合わないときに、呼吸を合わせて音を出す練習をさせる場合もありますが、音楽でいう呼吸は、この実際の呼吸のことではありません。

ついでに、実際の呼吸を合わせる練習についていえば、本来は呼吸を合わせて音が合ったら、今度は呼吸を意識せずに音を合わせる練習へと移行しなくてはいけません。多くの場合、それをしないと、アマオケのメンバーは呼吸を合わせることばかりに注意を向けてしまい、本来すべき音への注意をしなくなるのです。結果、乱暴な音になっていても気がつきません。肺による呼吸を合わせなくても音を合わせることができ、それが普通です。精神と肉体が正常な状態にある時、呼吸は無意識に行うのが一番良いのです。その時、肺は必要な量の空気をきちんと取り込む、吐き出します。意識的に行うことでこのバランスはずれてしまうことになります。もちろん、逆に精神と肉体が正常でなくなる危険がある場合は、意識的な呼吸雨によって正常を取り戻すのはとても良い方法です。

音楽における呼吸は肺の呼吸のことではなく、音の流れについてのことで、緊張と弛緩、あるいは集中と開放という対比で示されます。息を吸うと、空気は肺の中に集まってきますが、逆に肺は大きく膨らみます。息を吐く時は肺は小さくなりますが、空気は外へ出て広がっていきます。集中と開放という言葉で示しますが、実は集中している時も膨らんで広がる対称性があり、開放している時も肺の動きのように小さく集中する対照的なものが付随しています。それを理科して、集中と開放を捉えます。

一つの典型的な例として、リズムに対応した集中と開放を考えると、細かい音符が連続しているときは集中となり、一つ一つの音に注意を集中させます。この時、比喩的に言えば、肺の呼吸のように音が自分の中で密になり、内なる音楽空間が広がります。そして、長い音になると今度は音が広がるように注意を広がる音に向けます。自分の中にあった音楽空間は小さくなります。これが音楽における呼吸、集中と開放です。場合によっては緊張と弛緩という言葉の方が適切な場合もあるでしょう。

呼吸は音楽が始まってから終わるまで、原則、ずっと続いています。つまり、集中と開放が繰り返されます。これによって、演奏は生き生きとした生命感のあるものとなります。空気が内と外を動くように、音が集まって広がる運動をするようになります。演奏にはとても大事であることがわかるでしょう。

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